ELECTRIC BOOK STORAGE ACT電子帳簿保存法 関連法令
本ページに記載された内容は、電子契約・スキャナ保存に関連する各法令等を編成したものです。
コントラクトマネジメント株式会社は、閲覧者が当サイトの情報を用いて行う一切の行為について、何ら責任を負うものではありません。
自社業務への適用にあたっては、各法令等の原文および国税庁Q&Aの最新情報をご確認ください。
- 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(以下、電子帳簿保存法もしくは電帳法)
- 電子帳簿保存法 施行規則(以下、施行規則)
- 電子帳簿保存法 取扱通達
- 国税庁 -> その他法令解釈に関する情報 -> 電子帳簿保存法関係
- 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)
- 国税関係書類の電磁的記録によるスキャナ保存の承認申請
- 電子帳簿保存法関係パンフレット
- 令和3年度税制改正による電子帳簿等保存制度の見直しについて NEW
- 令和3年度税制改正パンフレット NEW
- 電子帳簿保存法Q&A(一問一答)~令和4年1月1日以後に保存等を開始する方~ NEW
令和3年度税制改正 QA抜粋
電子契約
- 問.11 保存要件
-
真実性や可視性を確保するための要件を満たす必要があります。
- 電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備付け(自社開発のプログラムを使用する場合に限ります。)
- 見読可能装置の備付け等
- 検索機能の確保
-
次のいずれかの措置を行う
- タイムスタンプが付された後の授受
- 速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付す
- データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用
- 訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け
- 問.4 出力した書面等の保存措置を廃止
-
令和3年度の税制改正前はそのデータを出力した書面等により保存することも認められていましたが、改正後は、当該出力した書面等の保存措置が廃止され、当該出力した書面等は、保存書類(国税関係書類以外の書類)として取り扱わないこととされました。
- 問.4 電子メールにより請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領した場合
-
タイムスタンプの付与が行われていない場合には、受領者側でタイムスタンプを付与すること又は事務処理規程に基づき、適切にデータを管理することが必要です。対象となるデータは検索できる状態で保存することが必要ですので、電子メールについて、当該メールソフト上で閲覧できるだけでは十分とは言えません。
【関連:問.22】請求書や領収書等を電子的に(データで)受け取った場合データのまま保存しなければならない。 - 問.4 出力した書面を保存した場合の仕入税額控除
-
電子取引の取引情報に係る電磁的記録を出力した書面等については、保存書類(国税関係書類以外の書類)として取り扱わないこととされましたが、消費税法上、電子インボイスを整然とした形式及び明瞭な状態で出力した書面を保存した場合には、仕入税額控除の適用を受けることができます。
- 問.8 立て替え精算において、従業員が支払先から領収書を電子データで受領した行為
-
従業員が支払先から電子データにより領収書を受領する行為についても、その行為が会社の行為として行われる場合には、会社としての電子取引に該当します。電子データを検索して表示するときは、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるように管理しておく必要があります。
当該電子データの真実性確保の要件等を満たす必要があることから、例えば、正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程に従って保存を行う等、規則第4条の規定に従って保存を行う必要があります。 - 問.9 改正後の保存要件が求められる取引情報の範囲
-
令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報については、改正後の保存要件により保存しなければなりません。
同一課税期間に行う電子取引の取引情報であっても、令和3年12月31日までに行う電子取引と令和4年1月1日以後行う電子取引とではその取引情報の保存要件が異なることとなります。 - 問.10 改正前の取引情報を改正後に保存する場合
-
令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、改正後の保存要件により保存を行わなければならないこととされています。
一方で、同日前に行った電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、改正後の保存要件により保存することは認められませんので、その電磁的記録について、改正前の保存要件(記録項目が限定される等の措置が講じられる前の検索機能の確保の要件等)を満たせないものについては、その電磁的記録を出力した書面等を保存して頂く必要があります。 - 問.23 複数の改ざん防止措置(複数のシステム環境)による保存
-
授受したデータの様態に応じて複数の改ざん防止措置が混在しても差し支えありません。電子データの格納先や保存方法についても、取引データの授受の方法等に応じて複数に分かれることは差し支えありませんが、電子データを検索して表示する場合には、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるように管理しておく必要があります。
例えば、A取引先についてはaシステムに、B取引先についてはbシステムに、それぞれ取引データが格納されていることが分かるようにしておく等の管理が必要であると考えられます。 - 問.30 訂正又は削除の履歴の確保の要件
-
訂正又は削除の履歴の確保の要件を満たしたシステムとは、例えば、
- 電磁的記録の記録事項に係る訂正・削除について、物理的にできない仕様とされているシステム
- 電磁的記録の記録事項を直接に訂正又は削除を行った場合には、訂正・削除前の電磁的記録の記録事項に係る訂正・削除の内容について、記録・保存を行うとともに、事後に検索・閲覧・出力ができるシステム
等が該当するものと考えます。
他者であるクラウド事業者が提供するクラウドサービスにおいて取引情報をやりとり・保存し、利用者側では訂正削除できない、又は訂正削除の履歴(ヴァージョン管理)が全て残るクラウドシステムであれば、通常、当該電子計算機処理システムの要件を満たしているものと考えられます。 - 問.40 重加算税の対象
-
電子取引により授受した取引データを削除、改ざんするなどして、売上除外や経費の水増しが行われた場合のほか、保存された取引データの内容が事業実態を表していないような場合(架空取引等)も重加算税の加重対象となります。
- 問.42 書面出力して保存する場合、青色申告の承認取り消しと税務調査時の取扱い
-
災害等による事情がなく、その電磁的記録が保存要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ます。なお、青色申告の承認の取消しについては、違反の程度等を総合勘案の上、真に青色申告書を提出するにふさわしくないと認められるかどうか等を検討した上、その適用を判断しています。
電磁的記録を要件に従って保存していない場合やその電磁的記録を出力した書面を保存している場合、受領した電子データとの同一性が担保されないことから国税関係書類以外の書類とみなされません。ただし、その申告内容の適正性については、税務調査において納税者からの追加的な説明や資料提出、取引先の情報等を総合勘案して確認することとなります。
消費税に係る保存義務者が行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存については、その保存の有無が税額計算に影響を及ぼすことなどを勘案して、改正後も引き続き、その電磁的記録を出力した書面による保存が可能とされています。
スキャナ保存
- 問.1 令和3年税制改正のポイント
-
- 承認制度を廃止
- 受領者等がスキャナで読み取る際に行う国税関係書類への自署が不要
- 電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含みます。)において、その電磁的記録を保存することにより、その入力期間内に記録事項を入力したことを確認することができる場合にはその確認をもってタイムスタンプの付与に代えることができる
- 適正事務処理要件(相互けんせい、定期的な検査及び再発防止策の社内規程整備等をいいます。)を廃止
- 検索項目を取引等の年月日、取引金額及び取引先に限定
- ダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合にあっては、範囲を指定して条件を設定できる機能及び項目を組み合わせて条件を設定できる機能の確保が不要
- 問.3 原本廃棄が可能な時期
-
令和4年1月1日以後に保存を行う国税関係書類については、定期的な検査を行う必要がなくなりました。そのため、スキャナで読み取り、折れ曲がり等がないか等の同等確認を行った後であれば、国税関係書類の書面(紙)は即時に廃棄することとして差し支えありません。
- 問.7 受領者以外がスマホやデジカメで撮影する場合
-
国税関係書類の受領者等が読み取る場合に該当しないため、当該国税関係書類がA4以下の大きさであったとしても、大きさに関する情報の保存が必要になります。
国税関係書類の横にメジャーなどを置いて合わせて撮影する、画像ファイル作成後に大きさに関する情報を手入力するなどの対応が必要となります。-
【補足】
- 対面で受領した場合で受領した本人が画像読み取り → 大きさに関する情報は不要
- 対面で受領した場合で別の担当者が画像読み取り → 大きさに関する情報が必要
- 郵便等で受領した場合 → 大きさに関する情報は不要【関連 取扱通達解説 4-24】
- 問.30 タイムスタンプ無しで保存するための要件
-
訂正削除履歴の残る(あるいは訂正削除ができない)システムでタイムスタンプ付与の代替要件を満たすためには、タイムスタンプが果たす機能である「ある時点以降変更を行っていないことの証明」が必要となり、保存義務者が合理的な方法でこの「期間制限内に入力したことを証明」する必要があると考えられます。
例:SaaS型のクラウドサービスが稼働するサーバ(自社システムによる時刻の改ざん可能性を排除したシステム)がNTPサーバ(ネットワーク上で現在時刻を配信するためのサーバ)と同期しており、かつ、スキャナデータが保存された時刻の記録及びその時刻が変更されていないことを確認できるなど、客観的にそのデータ保存の正確性を担保することができる場合 - 問.32 訂正削除履歴の管理(保管)要件
-
訂正したものを上書き保存するのではなく、その訂正の履歴を残すため第2版、第3版として管理(保存)するもの。
次に掲げることを全て満たすものである必要があります。- スキャナで読み取った電子データは必ず初版として保存し、既に保存されているデータを改訂したもの以外は第2版以降として保存されないこと。
- 更新処理ができるのは一番新しいヴァージョンのみとすること。
- 削除は物理的に行わず、削除フラグを立てるなど形式的に行うこととし、全ての版及び訂正した場合は訂正前の内容が確認できること。
- 削除されたデータについても検索を行うことができること。
- 問.44 一般書類の過去分保存
-
一般書類であれば、要件に沿って保存することが可能であれば、過去に受領等した書類についてもスキャナ保存ができます。
- 問.50 重要書類の過去分保存
-
令和元年9月30日以後に提出する適用届出書に係る過去分重要書類から適用されます。
過去分重要書類のスキャナ保存に当たって、数か月間に渡ってスキャナ保存の作業を行うことも可能です。
従前において同一種類の過去分重要書類に係る適用届出書を提出している場合は、適用届出書を提出することができません。 - 問.56 保存要件を満たしていない電磁的記録の取扱い
-
スキャナ保存の要件を満たさず保存されている電磁的記録は国税関係書類とはみなされないこととなります。
各税法に定める保存義務が履行されていないこととなるため、仕入税額控除の否認や、青色申告の承認取消し等の対象となる可能性があります。(スキャナ保存に係る国税関係書類(紙原本)の保存がある場合は除かれます。) - 問.59 途中での取りやめ
-
電磁的記録の基となった書類を廃棄している場合は、その取りやめることとした日において保存している電磁的記録を、当該国税関係書類の保存期間が満了するまでそのままスキャナ保存の要件に従って保存することになります。
電磁的記録の基となった書類を保存しているときは当該書類を保存する必要があります。
電磁的記録の保存を行うことができない場合、各税法上の国税関係書類とはみなされません。
仕入税額控除の否認や、青色申告の承認取消し等の対象となる可能性があります。
【関連 取扱通達解説 4-39】 - 問.60 改正後の要件が適用される対象書類の範囲
-
令和4年1月1日以後に保存する一定の国税関係書類について、改正後の要件によりスキャナ保存を行うことができます。
令和3年度の税制改正後のスキャナ保存の規定は、令和4年1月1日以後に保存が行われる国税関係書類について適用されることとなります。
この「保存が行われる」とは、実際にスキャナ保存が行われることを意味しており、具体的には、入力(タイムスタンプ要件を満たすまでを指す)が 完了した日がスキャナ保存の行われた日となります。
したがって、その業務の処理に係る通常の期間を最長の2か月で設定している保存義務者については、最も早いもので、おおむね令和3年10月末頃に作成又は受領した国税関係書類について令和4年1月1日以後に入力が完了した場合には、その国税関係書類については、「令和4年1月1日以後に(スキャナ)保存が行われる国税関係書類」に該当するため、改正後の要件が適用されることになります。 - 問.61 会計年度途中からの開始
-
法令に定めるスキャナ保存の要件を満たせば、課税期間の途中からでもスキャナ保存を行うことは可能です。
- 問.62 改正前の保存要件に基づく運用の継続
-
承認済み国税関係書類について、改正前の要件のままスキャナ保存する場合は手続は必要ありません。
- 問.63 改正後の保存要件に運用変更する場合の手続き
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承認済み国税関係書類について、改正後の要件で引き続きスキャナ保存を行う場合については、以下について行っていただく場合は、当該承認済国税関係書類に係る「取りやめの届出書」を提出する必要はありません。
- 令和3年度の税制改正後の要件でスキャナ保存を開始した日について、管理、記録をしておくこと。
- 税務調査があった際に、上記の管理、記録しておいた内容について答えられるようにしておくこと。
税制改正後の要件でスキャナ保存を開始した日について説明できるような状態にしている場合には、令和3年度の税制改正前の承認に係る取りやめの届出書の提出があったものとみなして、別途、取りやめの届出書の提出は求めることとはしません。
契約の成立とは
<改正民法> 契約の自由の原則の明文化
交付:平成29年6月2日
全面施行:令和2年(2020年)6月1日までに
改正民法第521条
- 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。
- 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。
改正民法第522条
- 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
- 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。
押印と署名について
民事訴訟法 第228条
- 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。
- 文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する。
- 公文書の成立の真否について疑いがあるときは、裁判所は、職権で、当該官庁又は公署に照会をすることができる。
- 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。
-
第二項及び第三項の規定は、外国の官庁又は公署の作成に係るものと認めるべき文書について準用する。
- 署名や押印=本人の意思に基づいている必要がある。
- 押印が本人の意思であることの立証は非常に困難だが、『文書の印影が本人のものであると確定されれば』反証がない限り、押印は本人の意思に基づいてされたものと推定される。<最高裁昭和39年5月12日判決>
-
文書の印影が本人のものであることが確かである
→ 本人の意志に基づく押印である
→ 文書は確かに成立している【二段の推定が成立】
民事訴訟法 第229条 (筆跡等の対照による証明)
文書の成立の真否は、筆跡又は印影の対照によっても、証明することができる。
- 筆跡鑑定は絶対的な証明力ではなく、裁判では他の証拠を求められる可能性あり。
商法 第32条
この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる。
電子署名法
第2条第1項
この法律において「電子署名」とは、電磁的記録 (中略) に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
- 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。
- 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。
第3条
電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。
電子取引(電子契約)とは
電帳法:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律
電帳法 第二条
- 電子取引 取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。以下同じ。)の授受を電磁的方式により行う取引をいう。
電帳法 取扱通達 法第二条関連 電子取引の範囲
2-3 法第 2 条第 6 号(電子取引の意義)に規定する「電子取引」には、取引情報が電磁的記録の授受によって行われる取引は 通信手段を問わずすべて該当するのであるから、例えば、次のような取引も、これに含まれることに留意する。
- いわゆる EDI 取引
- インターネット等による取引
- 電子メールにより取引情報を授受する(添付ファイルによる場合を含む。)
- インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引
電子データの保存方法は
電子契約
電帳法 第十条
所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより、当該電磁的記録を出力することにより作成した書面又は電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合は、この限りでない。
電帳法 施行規則 第八条(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)
法第十条に規定する保存義務者は、電子取引を行った場合には、次項又は第三項に定めるところにより同条ただし書の書面又は 電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合を除き、当該電子取引の取引情報(法第二条第六号に規定する取引情報をいう。)に係る電磁的記録を、当該取引情報の受領が書面により行われたとした場合又は当該取引情報の送付が書面により行われその写しが作成されたとした場合に、国税に関する法律の規定により、当該書面を保存すべきこととなる場所に、当該書面を保存すべきこととなる期間、次の各号に掲げるいずれかの措置を行い、第三条第一項第四号並びに同条第五項第七号において準用する同条第一項第三号(同号イに係る部分に限る。)及び第五号に掲げる要件に従って保存しなければならない。
- 当該取引情報の授受後遅滞なく、当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すとともに、当該電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと。
- 当該電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと。
改正:令和2年10月1日施行
令和二年財務省令第二十四号
電帳法 施行規則 第八条(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)
- 【新設】当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプが付された後、当該取引情報の授受を行うこと。
- 当該取引情報の授受後遅滞なく、当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すとともに、当該電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと。
-
【新設】次に掲げる要件のいずれかを満たす電子計算機処理システムを使用して当該取引情報の授受及び当該電磁的記録の保存を行うこと。
- 当該電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。
- 当該電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行うことができないこと。
- 当該電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと。
スキャナ保存
電帳法 第四条
- 前項に規定するもののほか、保存義務者は、国税関係書類(財務省令で定めるものを除く。)の全部又は一部について、当該国税関係書類に記載されている事項を財務省令で定める装置により電磁的記録に記録する場合であって、所轄税務署長等の承認を受けたときは、財務省令で定めるところにより、当該承認を受けた国税関係書類に係る電磁的記録の保存をもって当該承認を受けた国税関係書類の保存に代えることができる
電帳法 施行規則 第三条(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)
法第四条第一項の承認を受けている保存義務者は、次に掲げる要件に従って当該承認を受けている国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をしなければならない。
-
当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存に併せて、次に掲げる書類(中略)の備付けを行うこと。
- 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの概要を記載した書類
- 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの開発に際して作成した書類
- 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理システムの操作説明書
- 当該国税関係帳簿に係る電子計算機処理並びに当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存に関する事務手続を明らかにした書類(当該電子計算機処理を他の者に委託している場合には、その委託に係る契約書並びに当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存に関する事務手続を明らかにした書類)
- 当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をする場所に当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる 電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、当該電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるようにしておくこと
-
当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の記録事項の検索をすることができる機能(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を確保しておくこと。
-
取引年月日、勘定科目、取引金額その他の国税関係帳簿の種類に応じた主要な記録項目
(以下この号において「記録項目」という。)を検索の条件として設定することができること。
※勘定科目は「その他の日付」に読み替える(同条第五項第七号) - 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。
- 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。
-
取引年月日、勘定科目、取引金額その他の国税関係帳簿の種類に応じた主要な記録項目
(以下この号において「記録項目」という。)を検索の条件として設定することができること。
-
法第四条第三項の承認を受けている保存義務者は、次に掲げる要件に従って当該承認を受けている国税関係書類に係る電磁的記録の保存をしなければならない。
-
次に掲げるいずれかの方法により入力すること。
- 当該国税関係書類に係る記録事項の入力をその作成又は受領後、速やかに行うこと。
- 当該国税関係書類に係る記録事項の入力をその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこと(当該国税関係書類の作成又は受領から当該入力までの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。)。
-
前号の入力に当たっては、次に掲げる要件を満たす電子計算機処理システムを使用すること。
-
スキャナ(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を使用する電子計算機処理システムであること。
<200dpi以上、256階調フルカラー> -
当該国税関係書類をスキャナで読み取る際に、一の入力単位ごとの電磁的記録の記録事項に一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプ(次に掲げる要件を満たすものに限る。第八条第一項第一号において「タイムスタンプ」という。)を付すこと。
- 当該記録事項が変更されていないことについて、当該国税関係書類の保存期間を通じ、当該業務を行う者に対して確認する方法その他の方法により確認することができること。
- 課税期間中の 任意の期間を指定し、当該期間内に付したタイムスタンプについて、一括して検証することができること。
-
当該国税関係書類をスキャナで読み取った際の次に掲げる情報を保存すること。
- 解像度及び階調に関する情報
- 当該国税関係書類の大きさに関する情報(A4サイズ未満は不要)
- 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。
-
スキャナ(次に掲げる要件を満たすものに限る。)を使用する電子計算機処理システムであること。
- 当該国税関係書類に係る記録事項の入力を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと。
-
当該国税関係書類の作成又は受領から当該国税関係書類に係る記録事項の入力までの各事務について、その適正な実施を確保するために必要なものとして次に掲げる事項に関する規程を定めるとともに、これに基づき当該各事務を処理すること。
- 相互に関連する当該各事務(当該国税関係書類の作成又は受領をする者が当該国税関係書類をスキャナで読み取る場合にあっては、その作成又は受領に関する事務を除き、当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項の確認を行う事務を含むものに限る。)について、それぞれ別の者が行う体制
- 当該各事務に係る処理の内容を確認するための定期的な検査を行う体制及び手続
- 当該各事務に係る処理に不備があると認められた場合において、その報告、原因究明及び改善のための方策の検討を行う体制
- 当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項と当該国税関係書類に関連する国税関係帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認することができるようにしておくこと。
- 当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存をする場所に当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、映像面の最大径が三十五センチメートル以上のカラーディスプレイ及びカラープリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、当該電磁的記録をカラーディスプレイの画面及び書面に、次のような状態で速やかに出力することができるようにしておくこと。(整然、明瞭、拡大縮小出力、解像度)
- 第一項第三号及び第五号の規定は、法第四条第三項の承認を受けている保存義務者の当該承認を受けている国税関係書類に係る電磁的記録の保存について準用する。この場合において、同号イ中「、勘定科目」とあるのは、「その他の日付」と読み替えるものとする。
-
次に掲げるいずれかの方法により入力すること。
電帳法 第四条 取扱通達 4-24(対面で授受が行われない場合における国税関係書類の受領をする者の取扱い)
規則第2条第6項第2号ハ((大きさに関する情報等の入力))の規定の適用に当たり、郵送等により送付された国税関係書類のうち、郵便受箱等に投函されることにより受領が行われるなど、対面で授受が行われない場合における国税関係書類の取扱いについては、読み取りを行う者のいずれを問わず、当該国税関係書類の受領をする者が当該国税関係書類をスキャナで読み取る場合に該当するものとして差し支えないものとする。
→ A4サイズ以下の場合は書類サイズ等の情報保存が不要。
電帳法 第四条 取扱通達 4-40(システム変更を行った場合の取扱い)
(略)変更前のシステムに係る電磁的記録の基となった書類を保存しているときは、これを認めるが、当該書類の保存がない場合は、同項後段の規定によりそのシステム変更日において適法に保存している電磁的記録の保存を行うことに留意する。
電帳法 第四条 法令解釈通達 4-14(検索機能の意義)
「電磁的記録の記録事項の検索をすることができる機能」とは、蓄積された記録事項から設定した条件に該当する記録事項を探し出すことができ、かつ、検索により探し出された記録事項のみが、ディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で出力される機能をいう。この場合、検索項目について記録事項がない電磁的記録を検索できる機能を含むことに留意する。
令和元年税制改正:スキャナ保存
入力等に係る期間制限に関する解釈の見直し
【1.早期入力方式 / 2.業務処理サイクル方式 /3.スマホ保存 】
- 受領後速やかに入力する場合について、受領後1週間以内に入力することとしていますが、おおむね7営業日以内に入力していれば要件を充足するものとして取り扱うものとし、
- 業務の処理に係る通常期間を経過した後に速やかに入力する場合について、最長1か月プラス1週間以内に入力することとしていますが、最長2か月プラスおおむね7営業日以内に入力していれば要件を充足するものとして取り扱うものとし、
- 受領者が自ら読み取る場合、受領後3日以内にタイムスタンプを付すこととしていますが、おおむね3営業日以内であれば要件を充足するものとします。
令和2年税制改正大綱:電子契約
電子帳簿等保存制度の見直し(令和元年12月20日 閣議決定)
国税関係帳簿書類の保存義務者が電子取引(取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう。)を行った場合の電磁的記録の保存方法の範囲に、次の方法を加える。
- 発行者のタイムスタンプが付された電磁的記録を受領した場合において、その電磁的記録を保存する方法
- 電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含む。)において、その電磁的記録の授受及び保存を行う方法
注)上記の改正は、令和2年10月1日から施行する。
印紙税不要の根拠
電帳法における対象文書ごとの取扱い
電帳法 第四条(国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存等)
- 保存義務者は、国税関係帳簿の全部又は一部について (中略) 国税関係帳簿の備付け及び保存に代えることができる。
- 保存義務者は、国税関係書類の全部又は一部について、自己が一貫して電子計算機を使用して作成する場合であって(中略)国税関係書類の保存に代えることができる。
- 前項に規定するもののほか、保存義務者は、国税関係書類(財務省令で定めるものを除く。)の全部又は一部について(中略)国税関係書類の保存に代えることができる。
国税関係帳簿 法人税法 施行規則 第54条 | 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、各種元帳など |
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国税関係書類 法人税法 施行規則 第59条など | BS/PL、注文書、契約書、請求書、領収書、見積書、納品書など |
電帳法 第四条 法令解釈通達 4-39(スキャナ保存の検索機能における主要な記録項目)
「取引年月日その他の日付、取引金額その他の国税関係書類の種類に応じた主要な記録項目」には、例えば、次に掲げる国税関係書類の区分に応じ、それぞれ次に定める記録項目がこれに該当する。なお、検索は国税関係書類の種類別又は勘定科目別にできることを要することに留意する。
- 領収書 領収年月日、領収金額、取引先名称
- 請求書 請求年月日、請求金額、取引先名称
- 納品書 納品年月日、品名、取引先名称
- 注文書 注文年月日、注文金額、取引先名称
- 見積書 見積年月日、見積金額、取引先名称
取扱い分類
電帳法 第四条 第1項 | 電帳法 第四条 第2項 | 電帳法 第四条 第3項 スキャナ保存 |
電帳法 第十条 電子契約 |
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対象 | 国税関係帳簿 | 国税関係書類 | 取引データ全般 | |
主な作成工程 | 会計システム | 会計システム 帳票作成システム |
取引相手から受領 | Word、Excelなど |
必要となる 管理システム |
文書管理システム <データベース> |
電子契約システム <データベース> |
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承認申請 | 要(3ヵ月前) | 不要 |
日付や金額に対する範囲指定検索、2項目以上のAND検索、タイムスタンプの一括検証等の機能実装が必要。